まだベルロイドさん出せてませんが、とりあえず冒頭だけ。
王族である記憶はないとのことですが、服が豪華であることから、裕福ではあると勝手に判断させていただきました。
あとはジェンミンちゃんとチェルシーちゃんの組み合わせは二人でパーティー組んでも相性良さそうだなとかそんな妄想込みです。
そして組み合わせで言えば鯉占とゲナツェの組み合わせも割と好きで、ちょくちょくペアにしてしまいがち。
ひそかにハレとサディルも相性いいんじゃないかなとか思ってたりもする。
***
二人でクエストに出ていたジャンミンとチェルシーがギルドハウスへ帰宅すると、ラビが一枚の書類と睨み合い頭を抱えていた。
そんなラビを見つけたジェンミンがすぐに絡みに行き、疲れた様子のチェルシーは、とぼとぼとそのあとに続いた。
「なんやなんや、そんな辛気臭い顔してー。もっと元気ださんとー」
「貴様は逆にクエスト帰りでなんでそんなに元気が残っとるのじゃ……」
二人の声でようやく帰宅に気づいたらしいラビが顔をあげると、無理やりといった具合が見て取れるような笑顔で答える。
「あぁ、おかえり。ごめんね、ちょっと悩み事してて」
そんなラビの顔を見て、軽い雰囲気じゃないことを察した二人はラビが座っている席の近くの椅子を引いた。
「ほーん、どれ?ちょっとワイにも相談してみ?」
「ふっ、我の力が必要なようじゃな」
話を聞く気満々で席についた二人に、ラビは申し訳なさそうにしながら手元の書類を見えるように置く。
「いや、そんなに大した話でもないんだけどね?ちょっと新しいメンバーとして遠距離アタッカーがいたらなと思って探してたんだけど、その内の一人から一度会ってくれるって言う人がいたんだよね。だけどその待ち合わせ場所がここなの」
そう言ってラビが指で差した書類の待ち合わせ場所の部分には、この辺では一番の高級料理店の名前が書かれていた。
「この手の場所での所作が一番様になりそうなのはフェイクさんなんだけど、あんまりフェイクさんを初対面の場に連れて行くのもね」
場所が普通の食事処とかなら一人で会いに行くのもやぶさかではないが、縁もゆかりもない高級店ではいささか一人では不安になるものである。
「次点で鯉占さんには声は掛けたけど、占いの予約が入ってるからって断られ……ハレならうまく対応してくれるかなと思ったけど、面倒くさそうだからパスって……」
ちなみにゲナツェは鯉占の護衛、サディルは誘う迄もなく外出は拒むことであろう事実に、ラビは頭を抱えるしかなかったのだ。
「約束の時間はもう今日この後だから悩んでても仕方ないんだけどね。……ごめんね、こんな話。二人は休憩した後、もう一個クエスト行くんでしょ?」
ラビは一人で向かう覚悟を決めながら顔をあげ、空気を変えようと軽い声を出すと、ジェンミンとチェルシーは二人で先ほどの書類をじっくり見ていた。
「せやねぇ……。そのつもりやってんけど、うちら付いて行こか?別にクエストは今日じゃなくてもええし」
「そうじゃな。ここに『マナーやドレスコードは気にする必要ない』とも書いておるし、我らでも構わんのじゃろ?」
妙に乗り気な二人にラビは驚いて目を見開く。
「いいの?指定の場所が場所だし、面倒な相手の可能性もあるよ?」
「ギルマスが困ってんのに、ほっとくわけにもいかんやろ」
「我らにできることがあるなら助けるのは当然じゃ」
そう言ってくれる二人にお礼を返し、さっそく三人で出かけるための準備を始めた。