初戀の話
一話
いつも通りの時間。
午前五時に起床した。
そしていつも通りシャワーを浴び、着替え、弁当を持って家を出た。
何も変わらないいつもの風景。
見慣れた交差点、この時間なら毎回見るサラリーマン。犬の散歩中のお年寄り。
完全にいつもと変わらない日の筈だった。
いつも通り駅へと向かい、梅田方面行きへの電車へと乗り込む。その時だった。
初めて見た、あの人。
凛とした表情をしていて。
ヤケに背筋を伸ばしていて。
優しそうな瞳をしていたあの人。
ずっと見てきた為目が合い、少し気まずくなった。咄嗟に軽く会釈をし、すぐに別の方へと目線を逸らした。しかし、まだ視線を感じる。
再度あの人の方を見ると、まだこちらを見つめている。どうかしたのかと気になり少しポカンとしていると、向こうから話しかけてきた。
「すみません、いきなりこんな事を聞くのも失礼だとは思うのですが、○△高校の方でしょうか?」
何故自分の高校を知っているのか。
何者なんだ、この人は。とその時は思った。
「あぁ、はい。○△高校の生徒ですが…」
素っ頓狂な声でそう答えたが、未だに何故自分の高校がバレたのかは不明だ。
その様子を察してか、相手は少し微笑みながら言った。
「いきなりスミマセン。制服が○△高校のでしたので。」
よく考えなくてもそうか。
制服で大抵は分かる。
だが、何故高校なんかが気になるのか?
「私、今年に○△高校へと転校してきたんです。それで、今日から新学期ですので、○△高校へと向かっているんです。」
成程。転校生か。
確かによくよく見れば彼女の制服は○△の制服だ。一切目に留まらなかった。
「転校生の方でしたか。では、もし良ければなのですが、一緒に登校しませんか?一人で向かうのも寂しいですし」
そう告げると、彼女は少し嬉しそうな表情をした。
「是非お願いします。○△への車以外で登校は初めてなので、不安でしたのでかなり助かります。」
転校とはかなり大変なのだな。と思った。
その後もグダグダと話していたら目的の駅へと到着した為、彼女を呼び、電車から降りた。
「ここが高校の最寄駅。覚えておいてください。」
念の為そう告げておく。
「了解です、色々と有難うございます」
彼女はそう告げると、優しく微笑んだ。
その時の顔は今でも忘れない。
とても笑顔が似合う。
凛とした表情が少しクシャッとしているが、先程の表情とのギャップがある上に、笑顔が可愛らしい。無邪気で、優しげがあり、一寸の曇りもない澄み切った笑み。
とても、とても。
美しかった。
お試しで書いてみました!
参考にしたいので、改善点等があれば辛口でお願いします!後、小説を書いて投稿するのは今回が初めてなので、日本語が不自由だったりします!その辺りもビシバシご指摘くださればと思います!